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マーケティング便り

人間関係に使える?心理学のアレコレ:第一弾

著者:図研プリサイト 岡本優

2023/12/01 15:00

こんにちは!
図研プリサイトの岡本です。

あっという間に11月が終わりましたね。
前回のマーケティング便りでは上司の大出が2カ月早いクリスマスに思いを馳せておりましたが、いよいよ本番が近づいてきております。

皆様はクリスマスプレゼント決めましたか?
大切な人にあげるもよし、自分に買うもよし…。
私は大人になってからはクリスマスのことを「ずっと欲しかったものを買う大義名分」としてじっとり見つめています。

タイトルについて

今月のテーマは「心理学」です。

ですが「それなら大学が心理学部出身だったり、何か資格を持っているのか?」という疑問に対しては、「No」という回答になります。私は大学で心理学部を出た訳ではありませんが、他学部の講義を取ることも出来たため、興味本位で他学部の講義をいくつか受講していた程度でした。

そのように講義を複数受講する中で、特に面白い!と感じたのが心理学の領域でした。
というのも自分が無意識に行っていた言動や行動が心理学的に名前がついていることを知り、感覚で行っていたアレコレがきちんと解明されていることに興味深さと感動を覚えたのですね。

なんだか難しそうで敷居が高い心理学ですが、ど素人だからこその「これおもしろ~」という軽い感覚で3点ほどピックアップしてみますので、皆様もご興味があれば読んでくださると嬉しいです。

画像もあり文量が多いため、シリーズものとして連載していこうかと思います!
今回は記念すべき第一弾です!

心理的リアクタンス

さっそく聞き馴染みのない単語が飛び出してきましたが、要は「天邪鬼」と思っていただければ分かりやすいと思います。

子どもだけでなく大人も当たり前に持ち合わせている感情、心理的な働きのことで「禁止されると逆にやりたくなる」「やろうと思っていたところで言われるとやりたくなくなる」というのは誰しもが経験のあることではないでしょうか?
これは制限された(と感じた)自由を取り戻そうとする心の働きのことを指します。

心理的リアクタンス 説明

絵が描けないため昔飼っていたハムスターで失礼させて頂きますが、画像にも記載があるように「自ら行おうとしていた意思を他人によって捻じ曲げられた感覚」を抱いてしまうのが、この心理的リアクタンスが起きる原因です。

たいていは心身ともに成長中の子どもに特に強く出ますが、大人になってもこれがかなり強いまま…という方、皆様の周りにも1人2人はいらっしゃいませんか?(実は私はいます)

だから悪いという訳では決してないのですが、他の人ならスッと素直に話が通るところ、この反発心に引っ掛からないように気を遣ったり回りくどい言い方をして納得させるといったシーンが時々あり、この人の何が他の人と違うのだろう?と考えた時にこの言葉を知り、これだ!!と腹落ちした記憶が蘇ります。

実はこの心理的リアクタンスは上手く使えば(逆手に取れば)マーケティングの領域でも用いることが出来ます。
人が自然に抱く反発心を利用し購買意欲を掻き立てるのです。

「期間限定」「数量限定」「店舗限定」など、制限されることで『買う』『買わない』の選択肢を取り上げられた感覚になり、常設品よりも『いま買わないと失くなってしまうかも…』という感情をより煽られるのです。
(※手に入りにくいものがより魅力的に見える、「希少性の原理」という心理も働いています)

 また舞台のロミオとジュリエットは何となくご存じだと思いますが、実はあれも心理的リアクタンスが作用しており『周りから反対されるとより一層別れたくない…!』という反発心が少なからず影響しています。
(※ちなみに実際に「ロミオとジュリエット効果(=障害が恋愛感情を強くする)」という名前がついております)

一時的には良いのですが、その関係性を健全に長期間維持するには、家族や友人からの応援や助けが必要となります。

アサーション

こちらはもしかしたら「アサーティブコミュニケーション」という単語で聞いたことがあるかもしれません。
誰かとコミュニケーションを取る際に、自分とは相容れない考えだったとしても否定はせず、まず一旦聞き、すり合わせていくことを重要視するコミュニケーションの手法です。

ここで重要なのは「相手の意見を大切にするあまり自分の意見を言わずに我慢すること」ではありません。

アサーション(主張的反応)とは「お互いの価値観を尊重しつつ、自分の意見を適切に主張すること」です。


では何故このアサーティブなコミュニケーションが重要視されているのか?


それは「出来ない時は断る勇気が必要だから」です。
何だそんなこと?と思うかもしれません。ですがこれは相手を不快にさせることなく断る立派な心理学のテクニックです。
(もちろんお断りする際は心を込めて謝罪を添えることも大切です)

「出来ない」「やりたくない」という主張は、こと仕事においては特に嫌われる傾向にありますよね。

とはいえ出来ないのは事実。出来ない、余裕がないのに無理矢理受けて、酷いクオリティで提供してしまったりした場合「出来ない」と断られた時より相手の心象はずっと悪くなります。

下記に断り方の2パターンを用意してみました。
仕事だけではなく、日常も含め様々なシーンで断られることは時々あると思いますが、同じように断られるなら、どちらがよいでしょうか?

また「今回断られたけどタイミングが悪かったんだな、別の機会に声をかけてみよう」と思えるのはどちらでしょうか?

アサーション説明① アサーション説明②

※相談は早めにしましょう

また、どうしても友達からの誘いを断らなくてはならない時などにも有効だと思います。

誘ったとき「ごめんその日予定ある~」とだけ返してくる友達と「ごめんその日予定ある!けど誘ってくれてありがとう、〇日なら空いてるよ」と、断りつつも代替え案を出してくれるような友達ならどちらと付き合いたいでしょうか?
私は圧倒的に後者です。ちょろいので「断られても好き…また誘う…」となります。

要はアサーティブコミュニケーションは何を生み出すのかというと、心理的安全性と信頼感なのですね。

相談しやすい上司がいてくれるだけで仕事をするうえで安心感やモチベーションが生まれ、仕事のミスの削減や新しい仕事の創出意欲に繋がります。

片面提示と両面提示

第一弾最後です!これらは仕事がデキる人は自然と行っている行動かもしれません。

営業や販売において特に効果を発揮する説得方法で、
メリットだけ伝えるよりも、メリットもデメリットも両方伝える方が相手からの信頼を得やすい、という心理テクニックです。

片面提示とはメリットだけを強調する説得方法のことで、即効性があります。
ではこれが有利に働く場面というのはどのような時でしょうか?

ずばり「相手が商品に対する知識がない時」「相手との信頼関係が構築されている時」「相手が既に商品に魅力を感じている時」です。
そのため商品購入後にデメリットを知ると「騙された!」という感情を抱き、信用を失う危険性も孕んでいます。

「そりゃそうだろ」と思うかもしれませんが、実は意外と営業さんや販売員さんでこれが出来ている方は多くはなく、やはり『売りたい!』という気持ちが前に出てしまうのか、リスクや懸念点をしっかり伝えてくれる方に出会うことは稀です。
(※単純に商品知識がなかった場合を除く)

対して両面提示とはデメリットも併せて伝える説得方法のことで、ポイントは「デメリットの後にメリットを伝えること」です。これは「最後に与えられた情報が人の印象に大きな影響を与える」という新近効果を利用しています。また、メリットとデメリットは関連性が高い方が説得力が増すということも分かっています。

 しかし人によって何がメリットで何がデメリットかは違います。例えば携帯の話で言えば、価格が高いことがデメリットになる方もいれば、サイズが大きいことがデメリットになる方もいますので、そこは前後の会話の中で探り、アタリをつけてから両面提示で説得するとばっちりです!

片面提示と両面提示 説明

皆様はどちらの方が信頼できるでしょうか?

おわりに

今回は日常生活や普段の人間関係、仕事などで使えそうな心理学ということで、3つご紹介させて頂きました!
いかがでしたでしょうか?
何か1つでも面白いなと感じてもらえたら筆者冥利に尽きます。

繰り返しになりますが、こちらはシリーズ化しようと思っております。
ご興味のある方はぜひ次回以降もお読み頂ければ大変嬉しいです。

ここまでご覧頂きありがとうございました! 

こちらのコラムは直接仕事に役立つものではないかもしれませんが、少しでも皆様にとって「へぇ~そんなこともあるのね」と、息抜きや豆知識的にでもお役に立てていれば嬉しく思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。