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私たちが考えるPLMとは

PLM(英:Product Lifecycle Management)は、その名が示す通り「製品ライフサイクルの情報を管理する仕組みや手法」のことです。もう少し具体的に説明するならば「自社製品の企画から設計、製造、保守まで、製品ライフサイクルにて作り出されるデータを相互に関連付けながら管理、共有し、QCDの向上やモノづくり体制の強化を目指す取り組み」を指します。

しかし、ITシステムとしてのPLMは、生産管理システムのフロントエンドで利用する部品表管理システム(BOM)や、設計図面や技術文書を管理するシステム(PDM)を指すことがほとんどであり、多くの経営者の方々に「マニアックな設計だけの仕組み」だと誤解されていることが少なくありません。

ベンダーの立場としては、どのような形態にしろ、満足してご利用いただければ幸いなのですが、PLMを単なる「設計業務の効率化システム」としてではなく、事業戦略を推進するための「経営管理システム」として活用いただきたいのが本音です。

経営管理システムとしてのPLM

経営管理システムとしてのPLM
出典:株式会社プリベクト 北山 一真 氏
ERPは、決算期に応じた企業の「期間損益」を評価するものです。財務や納税など、制度会計を行う上で確かに必須のシステムですが、あくまでも企業としての足腰の強さやサステナビリティを評価するものなので、ERPだけでは、強い製品、儲かる製品を生み出すことは出来ません。

PLMは、製品単位での損益評価である「プロジェクト損益」、そして「事業力強化」に資するものです。任意の管理会計ではあるものの、事業力、すなわち「稼ぐ力」は、この視点のマネジメントから生み出されます。つまり、製造業の経営管理においては、ERPとPLM、この二つの損益管理は両輪として不可欠なものであると考えます。

しかし、残念なことに、財務会計で計算が義務付けられている「期間損益」に対し、義務ではない「プロジェクト損益」の計算は、多くの企業において導入されていません。

事業力と企業力の強化により、意思決定と収益を最適化し、経営管理を高度化する

事業力と企業力の強化により、意思決定と収益を最適化し、経営管理を高度化する
出典:株式会社プリベクト 北山 一真 氏
DXの取組みで、ひときわ活況を呈しているのがERP導入による基幹システムのリプレースです。もちろんERPによるサプライチェーンの強靭化は、昨今の部品・原材料不足や資源・原油高の状況を持ち出すまでもなく重要な課題ですが、この取組みだけではオペレーションの効率化という限定的な効果にとどまってしまいます。モノづくり企業は、製品力をつくり込むエンジニアリングチェーン強化との両輪を駆動させることで、初めて「稼ぐ力」を獲得できます。

多くの経営者の方々に「技術・開発部門専用の便利ツール」と捉えられがちのPLMですが、図研プリサイトは「プロジェクト損益の見える化ツール」として運用されることが本来のPLMの役割だと考えています。経営管理に役立つソリューション拡張を今後も進めていく所存です。