Glossary
用語集
コストテーブル(英:cost table)とは、原価に影響を与える要因(変動要因)と原価との関係を整理し、表形式や計算式にまとめたものです。
組立型製造業の場合、製品を構成する部品ごとの変動要因(諸元や購入単価の統計情報など)から論理的に原価を算出し、それら原価を積み上げて製品の原価見積を行うのに利用されます。
ここでは、コストテーブルの作成手順を説明します。
上述の手順で作成したデータ一覧表と計算式の組み合わせをコストテーブルと呼びます。計算式に変動要因を代入すれば、購入や製造委託の実績が無い新規部品の原価を論理的に算出することが可能になり、これら原価を積み上げることで、精度の高い原価見積が行えるようになります。
コストテーブルを作成すると、担当者の経験に寄らず、誰もが同じ原価の値を見積もることが可能になります。言い換えれば、コストテーブルは「原価見積手法の標準化」を実現します。また、部品サプライヤから提示される「見積の妥当性チェック」に使うことで、購買・調達業務の高度化を図ることもできます。
このように、原価企画や価格交渉において有力な武器となるコストテーブルですが、その変動要因はテクノロジーの進化や市場価格の変動によって変わるため、一度作成した計算式をそのまま使い続けていると、形骸化してしまうリスクがあります。
したがって、コストテーブルの運用は、継続的な更新作業が必須です。この作業の定着が思うように進まない企業が多く、コストテーブルは「普及が進まない」や「うまく機能しない」といった課題があります。
本記事の内容をまとめると次の通りです。