家庭に効く“現場力” ~2S,KY,FIFO,二棚法……製造業の知恵で暮らしが整う?
皆さまこんにちは。図研プリサイトの大出です。
急に蒸し暑くなりました。梅雨ですね……とこれを書いている時期には梅雨前線が消滅してみたり、やっぱり出てきてみたりと、何かと情緒不安定な天候が続いています。どうした?今年はもう疲れちゃったか?枝豆でもつまんで元気出せ?
今回のテーマは「日常に役立つ製造業の知恵」です。
私自身、新卒で入った会社では製造現場で働いていた経験やISO(Q,E,FS,IS,MD……)に関わった経験があり、現在もシステムで製造業の皆様のDX推進のお手伝いをする立場で関わっています。そして、妻も製造業に従事しているため、気づけば家の中でも“製造業ワード”が飛び交う日常に。
「2S」「KY」「FIFO」——これらの言葉、職場だけでなく、家庭でも自然に使ってしまうようになりました。いや、だってじっさい便利なんですよ。
よって今回は、そんな“製造業あるある”が、意外と日常生活でも役立っているという話です。
整理・整頓(2S)で家が片付く
まずは「2S」。言わずと知れた「整理・整頓」です。(ちなみに7Sまで見たことがあります)
廊下を歩いていて工場長とすれ違いざま「大出くん、2S…」と言われるたび、
「整理とは!要るものと要らないものをわけて要らないものを捨てること!!」
「整頓とは!要るものをいつでも取り出せるようにしまうこと!!」
と叫んでいたので、今もバッチリそらんじることができます。社会人の常識ですからね。
私はそれなりにモノが溢れている家で育ったのですが、2Sによってアップデートされた結果……むしろ躾か……?現在では比較的モノを少なく抑えることができています。
実家が引っ越すとなったときには、卒業アルバムの類を迷いなくすべて捨てました。母にはドン引かれましたが……でも使う機会、これまでもなかったですし、これからもないですよね?
整頓でいえば「定位置管理」もそこそこ我が家に根付きました。
幼少のころ、「探していたアレがない!!片付けたはずなのに!!」(適当に突っ込んだばかりに見つからない)というのが大きなストレスだったのですが、これもまた定位置管理という概念に触れたことで、このストレスとすっかりおさらばすることに成功しました。
定位置管理、全人類に勧めていきたいです。
そんなわけで年末、娘の部屋の大掃除をする際には
「まず引き出しの中身、全部だして!」
「それぞれの段に何をしまうか決めて!」
「要るものだけそこに戻して!」
「残りは全部捨てる!!」
といった具合に進んでいきます。
……未就学児のころからこんな感じでやってきましたが、冷静に文字に起こしてみると、とんでもない親かもしれません。この家に生まれたいか?なかなか根源的な問いです。
このままのテンションで続けていくと、いつか娘が誰かと一緒に住むとなった際に、相手の方はさぞかし苦労することになりそうです。働く前、片付けできないマンだった私など論外でしょう。自分でも超えられないハードルをしかけた感じがあります。将来、お父さんがこんな教育するから!とか言われたらどうしましょう。今から謝っておきます。スマンな。
危険予知(KY)で家庭内事故防止
次に「KY」です。
KYと言えば空気読めない…ではなくて、もちろん「危険予知」ですよね。
安全靴にトマトを入れてフォークで轢く、というのは妻の会社の衝撃的研修で(またトマトっていうのがね……)、定期的に我が家でも話題になりますが、ともかく安全第一は家庭でも変わりません。
特に子どもって「どうしてそんなことやろうと思った!?!?」っていうこと、やりがちじゃないですか。「階段から飛び降りられるの、何段目が限界かな?」といった感じでフランクに骨折リスクを負っていきます。自身に鑑みてもそうでした。今ではマンホールでさえ万が一を考えて避けるのに。
子どもにこそ学んでほしいですね。KY。我が子に根付くのはもう少し先になりそうです。人生、死ぬ以外はかすり傷、大きなケガさえしなければ良いとは思っているので過保護にするつもりはないですが「KY!KY!」と叫びたくなるのはむしろ親側に鍛錬が必要そうです……。
指差し確認でヌケモレ防止
これはもうTIPSに近いですが、指差し確認、便利ですよね。
指差し確認や声出し確認は、脳の認知効果を高めるという研究もあるそうです。
- あれ?ガスコンロ消した?
- 湯はりするのに栓したっけ?
- 今日出がけにカギ閉めたっけ?
これらは指差し確認、声出し確認を徹底することで全て解決できます。
全人類に勧めたい、指差し/声出し確認。
しかし娘までもが「ヨシ!」と言い出したら、ちょっとフクザツな気もします。現場猫が流行ったのもあって認知度が高くなった「ヨシ!」ですが、私の「ヨシ!」は私だけのものです。
1,300t成型機にセットされた金型の側の間に入ったこともあるんだから。(戯れではなくキャビティのキズのチェックです)
FIFO/二棚法・発注点管理で適正在庫維持
家庭生活につけるタイトルではない感じがすごくしますが、これらも便利です。
冷蔵庫では、FIFOを徹底。先入れ先出しですね。消費期限が明記されているヨーグルトなんかの管理には必須です。
むしろFIFOなしに管理なんて無理では?
消費/賞味期限が近いものは手前に、買ったばかりのものは奥に。
さらに、シンク周りやコーヒーフィルタなどの消耗品は、二棚法で管理。
使用中の棚と予備棚を分けて、「予備棚が空になったら補充」のルールです。二棚法って簡単にできるのに効果は絶大、完成された手法ですよね。モノによっては場所を取るのが難ですが、絶対に切らしたくないものの管理には家庭でもオススメです。
そして予備棚から在庫がなくなると発注点です。納品までのリードタイムを確認し、急を要する場合はハンドキャリーも辞しません。(単に買い物です)
このあたり設備投資できれば是正も捗るんですけどね~!!しくみで対応したいところ、ひとまず人力チェックリストで運用しています。
まとめ
みなさんが普段現場で触れる製造業のさまざまな知恵。うまく家庭に導入すればあんなストレスやこんなストレスがなくなるかもしれません。
ちなみにPLMのような仕組みも、仕事上、経営上のあんなストレスやこんなストレスを解消します。BOMや設変周り、コスト管理にストレスを抱えている方はぜひお気軽にご相談ください。
そして2S復唱をご一緒しましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!