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— ナレッジ活用コラム —

7ノットってどれくらい?

著者:図研プリサイト 臼井 哲郎

はじめまして、臼井です。

週末の過ごし方は多種多様ですが、自分の場合は4年ほど前にひょんなことから出会った「ヨット」にはまっています。

いきなりヨットと言っても、イメージが湧かないと思いますが、私が普段、操船しているのはこんな感じのヨットです。

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ヨットの種類はキャビン(船室)の有無によって大きく2つに分かれます。

  • ディンギー
  • 1~2人乗りの発動機やキャビンをもたない小型のヨット。

  • クルーザーヨット
  • 5~10人乗りの発動機やキャビンをもつ大型のヨット。

ディンギーはオリンピック競技でも使われる、競技性の高いヨットで、2~5m程度のサイズです。少し前ですが東京オリンピックではヨットの聖地とも言われる、江の島ヨットハーバーが競技会場に決まりましたね!当初は江東区若洲沖を予定していましたが、中継ヘリが羽田空港沖を飛ぶことによる問題などで見直され、1964年東京オリンピックと同じ会場になったことはヨット乗りの間では大いに話題となりました。

一方、私の乗る写真のヨットは全長12m、マスト高16mの「クルーザーヨット」です。このクルーザーヨットにもレース用の艇があり、1851年から続く「アメリカズ・カップ」では全長22m、マスト高40mものヨットが43ノット(約時速80km)で走ります。そんなに速度の出るヨットは車でいうF1マシンみたいなものなのですが、「風」のみの力で走るこの原始的な乗り物で東京湾や相模湾を回遊することで、非日常感を味わい、また仕事に打ち込めるわけです。

もちろん、はまった理由はそんな非日常感を味わえることも理由にありますが、実はヨットの基本である、「セーリング(帆走)」の面白さにあります。

ヨットはセール(帆)で風を受けることにより、推進力を生み、進むことができますが、進む方向は「風下」はもちろんのこと、「風上」にも進めます。それはセールに風を受けた際に、セールの内側と外側で空気の流れが変わり、「揚力」が生まれ、その一部を「推進力」に変えることができるからです。

言葉で説明すると分かりづらいことこの上無いのですが、飛行機の翼が「揚力」を利用しているように、ヨットも「揚力」を利用しています。艇の性能によりますが、風上に対して左右約40度程度まではセールに風を受けさせることで、「揚力」を生み、風上の方角へ進んでいきます。

しかし、相手は自然。当たり前ですが刻一刻と風は強さや方角が変わります。

さらにレースともなると、

  1. 潮の流れ
  2. 波が艇に当たると押されるため、波の当たるタイミングに合わせた操船が必要。

  3. 当日の満ち引き、海域の潮の流れを把握する必要がある。例えば真北に目的地がある時、西から東に潮が流れている場合、艇も流されるため、舵を北北西に切る。

  4. 他のヨットとの位置関係
  5. 他艇の裏に入ると風を受けられず、推進力が落ちるため、コース取りを考えることが必要...などの要素も常に確認しながら、ベストな位置にセールをトリム(調整)し、舵を動かすのです。

  6. セールを何センチ引けばよいのか。。。
  7. 舵は何度に切ればよいのか。。。

これらの経験は多くの年輩クルーに暗黙知として蓄積されていますが、自然相手であるため50年以上セーリングを続けているクルーでさえ、同じ状況は2度として無く、ナレッジの伝承は非常に難しいのです。

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ちなみに私の乗っているヨットは良い風が吹いて、ベストなトリムをしても7ノット(約時速12Km)。

自転車と同じくらいの速度しか出ない。。。笑

しかし、なぜだか7ノット出た時は「ヨッシャ!」って思うんですよね。

そんな趣味、ヨットのお話でした。