図研テック×Presight対談:PLMプロジェクト成功の鍵は“技術力と現場力”の融合にアリ!
今回の対談では、PLM導入後に多くの企業で直面しやすい課題やそれを乗り越えるベンダー側の支援のあり方について、図研テック株式会社(以下図研テック)と株式会社図研プリサイト(以下プリサイト)のメンバーにお話を伺っていきたいと思います。

登壇者 ※役職は対談当時の肩書です
左:図研テック株式会社 取締役 原田 晴弘 様
右:株式会社図研プリサイト 技術部 部長 宮崎 雄介
図研テック×Presight対談:PLMプロジェクト成功の鍵は“技術力と現場力”の融合にアリ!
今回の対談では、PLM導入後に多くの企業で直面しやすい課題やそれを乗り越えるベンダー側の支援のあり方について、図研テック株式会社(以下図研テック)と株式会社図研プリサイト(以下プリサイト)のメンバーにお話を伺っていきたいと思います。
登壇者 ※役職は対談当時の肩書です
左:図研テック株式会社 取締役 原田 晴弘 様
右:株式会社図研プリサイト 技術部 部長 宮崎 雄介
―――まずは登壇者の皆様から自己紹介をお願いいたします。
原田:図研テックの原田と申します。会社設立2年目から入社し、これまで主に派遣業務に従事し、CRのSEとして約30社ほどオンサイトで対応してきました。現在は役員として、技術者派遣を含めた支援体制の強化に取り組んでおります。よろしくお願いいたします。
宮崎:
図研プリサイトの宮崎です。2001年に新卒で図研に入社し、ダイナミックソリューション事業部に配属となり、開発業務を担当していました。その後、プリサイト事業部を経て、分社後もVisualBOM導入にあたり、システム構築作業を実施する下流工程側のエンジニアとしてお客様先でのシステム導入を担当してきました。現在は技術部の部長として、技術部全体を統括しています。どうぞよろしくお願いいたします。
―――それでは、早速ですがPLM導入時にお客様が直面しがちな課題について、宮崎さんからお話しいただけますか?
宮崎:はい。まず1つ目の課題が、マスターデータ整備の遅れです。
PLM導入にあたっては、まずデータモデルを決め、その後にデータの登録を進めていく流れになります。
しかし現場でしか分からない情報が思いのほか多く、設計部門や製造部門それぞれにしか分からない知見が必要になります。
そのため、情報の出し切りに時間がかかり、結果として「誰がどこまでやるのか」が曖昧になってしまうケースが散見されます。
2つめの課題は、導入プロジェクトの初期段階で業務フローを整理する際、現場の実態が十分に反映されないままシステム設計が進んでしまうケースです。結果として、導入後に「この業務はどう処理するのか?」という混乱が生じ、現場が戸惑うこともあります。
最後に3つ目は、導入後の運用面での課題です。例えば、ユーザー登録や承認ルートの設定など、日常的な操作が煩雑であったり、ツールの使い方が難しいと感じられることがあります。その結果、「元のシステムの方が使いやすかった」「Excelで十分では?」といった声が上がり、せっかく導入したシステムが定着しないという問題もあります。
原田:そうですね。私もオンサイトで支援にあたってきましたが、新しいシステム導入時には、どうしても「(慣れている)以前のシステムが良かった」という声が出がちです。
特に、現場で影響力のある方が抵抗感を示すと、調整が難しくなります。逆に若い方は新しいツールに前向きな傾向がありますが、現場の調整は非常に重要です。データ整備、業務ルールの統一、運用の定着と改善が支援のセットですね。
また、PLMに限らず、業務システム導入時には「担当者がいない」「やりたがらない」という問題もあります。結果として、適任者が見つからず、人手が足りないということもあって我々に支援の依頼が来ることも多いですね。
宮崎:たしかにシステムは導入して終わりではなく、定着させることが重要ですね。マスターデータの登録や編集など、情報を管理する工数だけが増えてしまうと、「なぜ導入したのか?」という疑問が生まれ、エンドユーザーのモチベーションが下がってしまうこともあります。
原田:その通りです。我々がオンサイトで継続して支援する際には、導入後の定着フェーズに特に力を入れています。お客様の規模によっては、1〜2年かけてじっくりと定着を図ることもあります。
―――先ほどの定着支援の話にもつながりますが、図研テック様の技術者派遣の特徴について、原田さんからご紹介いただけますか?
原田:はい。弊社には現在、約450名の技術者が在籍しており、設計・開発を担う技術者と、運用支援を行う技術者の両方がいます。設計現場を支援することが、弊社の主な業務内容です。PLMに関しては、プリサイトさんが専門的な技術支援を担い、図研テックが現場での導入支援やフォローを担当するという役割分担ができていると考えています。これまでの実績でも、そのような連携で多くのプロジェクトを支援してきました。
――――実際にどのような支援を行っているのかについても教えてください。
原田:はい。
まず一つ目は、先にも挙げたとおり設計分野への支援です。LSI設計、電気設計、メカ設計、ソフトウェア開発など、幅広い分野に対応しています。これらの分野において、設計者としての知見を活かしながら、現場に密着した支援を行っています。
二つ目は、CADやPLMの導入支援です。弊社には設計者が在籍しているため、その視点に基づいた、ニーズを理解した上での導入支援が可能です。設計者が求める機能や使い勝手を理解した上で、現場にフィットする形で支援できるのが強みです。
宮崎:設計者が社内にいるというのは、図研テックさんならではの特徴ですね。特に、エレキ設計にも強いというのは図研グループならではの大きな強みです。
プリサイトとしても、設計者の視点を持った支援ができるパートナーがいることは非常に頼もしく思っています。
原田:たとえば他の大手企業では、業務システムの保守・管理を一括で請け負うベンダーもあります。ですが、設計者の派遣を手掛けつつ、導入支援も行っている企業の中で、PLMやCADを作っているベンダーの100%子会社というのは少ないです。その点が私たち図研テックの特徴の一つであり、我々の強みにもつながっていると思います。
宮崎:実際、図研テックさんの技術者は、お客様先でも非常に信頼されていて「手放したくない」と言われるほどです。お客様の業務を深く理解し、日々のメンテナンスや改善提案まで行っていただいているので、非常に助かっています。
原田:ありがとうございます。最近では、分業化の流れもあり、システム全体を把握している方が社内にいないというケースも増えてきています。特に、長年担当されていたベテランの方が退職された後、若手がその役割を引き継げず、外部に頼らざるを得ないという状況も見られます。
宮崎:たしかに、設計部門の中でもシステムに詳しい方が減ってきている印象がありますね。
また別の視点になりますが、PLM導入においては、環境設定やデータ移行、ユーザー教育など、実務面での支援も重要です。プリサイトとしても、導入支援だけでなく、運用定着のフェーズでの教育支援を重視しています。単なる操作説明ではなく、業務にどう活かすか、他部門との連携はどうするかといった「運用教育」が大事です。
原田:オペレーションのマニュアルはあっても、実際の運用はお客様ごとに異なります。だからこそ、現場に寄り添った教育が必要です。
宮崎:
お客様ごとに運用が定着するために必要な教育を支援する、ということですね。
―――では、図研テックとプリサイトの支援を組み合わせることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
原田:
円滑にシステム導入をするのはもちろん重要なことです。しかし図研テックではその後の運用定着、業務改善も重視しており、これはお客様からも評価いただいているポイントです。
導入プロジェクトの初期から支援させていただくケースが多いですが、大きなプロジェクトではリソース不足などの要因で途中からお声がけいただくケースもあります。
特にPLM導入のような大掛かりなプロジェクトでは、プロジェクトの初期から運用定着、その後の改善まで、お客様の社内リソースだけで取り組めるケースは、ほとんど無いと思います。
図研テックは、CADやPLMの導入と開発・設計領域の課題解決にも柔軟に対応できる体制、ご支援してきた実績があることが、強みですね。
また、導入後の定着フェーズであれば、運用マニュアル作成・改善や展開教育など、運用定着に不可欠な業務を、導入初期からタイムリーにご支援できます。
運用が定着した後は、お客様とコミュニケーションを取りながら運用改善まで一貫してご支援することも可能です。
いずれにせよ図研テックのエンジニアは、現場視点でお客様のリアルな声をPLMの導入提案に反映するための橋渡しを行うことができるという点で評価いただけています。
―――そこには特別なノウハウなどあるのでしょうか?
原田:
たとえばあるお客様では、設計部門の中でも特に影響力のある方の近くに技術者を常駐させ、日々の業務の中で直接サポートを行いました。こうした「張り付き型」の支援は、現場の信頼を得る上で非常に効果的です。
特に、影響力がある現場設計者の方の疑問や不満をその場で解消できる体制を整えることで、プロジェクト全体の進行がスムーズになります。結果として、会議の場でも「反対はしないけれど賛成もしない」といった曖昧な態度ではなく、前向きな評価をいただけるようになりました。
宮崎:
そういうノウハウも含めてとても頼もしいですね。プリサイトとしては、システム導入の際は通常、週に一度の定例ミーティングにてお客様先に伺って導入支援を行っていますが、どうしても通常の業務と並行してシステム導入を行っているとお客様だけではやり切れないことがあります。
図研テックさんのように、日々の業務の中でサポートできる体制があると、導入がスムーズに進むと感じますね。
原田:
全体最適を目指したプロジェクトだとわかっていても、カスタム項目を検討する際など、どうしても設計者目線が優先してしまいやすい場面もあります。そうしたときにシステム導入の場数を踏んでいる経験をもとに助言させていただける点は、お客様単独でシステム導入をするより成果を出しやすいポイントかもしれませんね。
宮崎:
社内リソースが限られていても、外部の力を借りてスムーズに導入・運用ができるのは大きなメリットですね。新規提案の引き合い時にも、プロジェクトを推進するメンバーを同時に提案してほしい、というご要望をいただくことが増えてきています。システム導入のプロの知見への期待を感じることが多いですね。
―――では、これまでの実績や反響についてもお聞かせください。
宮崎:
これまで製造業を中心に複数社で導入・運用支援を行ってきました。たとえば、ある運用稼働中のお客様では、図研テックさんの技術者に、月に5回訪問してもらっています。その中ではお客様のご要望を聞き、疑問を解決し、実際にシステムの変更作業も行うということを、いわば「御用聞き」のようにやってもらっています。
お客様にお聞きすると、システム周りのリソースを外注したことでそのぶんを開発のリソースに集中させることができているようです。
また他のお客様では、データのクレンジングの部分から支援させていただいている事例もありましたね。
原田:
はい。CADやPLMの導入をDXの一環とするならば、ボトルネックになりがちなタスクのひとつは、今宮崎さんが挙げられた図面や部品のデータクレンジングです。
実際に、データクレンジングを進めるためには、メカCAD、エレキCADで、現在どのようなデータが作られているのか?
それをPLMで一元管理するために、どのようなデータクレンジングをするべきか?
そのためにCAD側でどのような運用改善が必要か?データクレンジングに必要な作業量は?
設計者への運用変更の周知はどのような手順で行うべきか?など考慮しなくてはならないことは少なくありません。
宮崎:
データクレンジングの仕様についてはプリサイトのSEがサポートし、図研テックのエンジニアさんは具体的なクレンジング作業や、運用定着のための支援に注力する、といったような役割分担が可能です。DS-CRやVisual BOMの導入支援にあたりデータクレンジングはもちろん、システム設定作業などもやらせてもらっており、システム導入として理想的な体制で臨むことができているのかなと考えています。
―――最後に、今後の展望や目指す姿について、まずは図研テックさんからお伺いできますか?
原田:はい。今後の展望としては、やはりお客様の現場で必要とされるタイミングで、柔軟にシステム支援ができる体制をさらに強化していきたいと考えています。
最近では、先ほどもあったように長年システムを担当されていた方が退職され、若手がその役割を引き継げないというケースが増えています。そうした中で、「専任のSEとしてサポートしてほしい」というご要望が多くなってきました。
図研テックでは、フルタイムで常駐する派遣型の支援だけでなく、月額固定の請負型支援も展開しています。小規模なお客様でも、必要なときに必要な支援を受けられるような体制を整えており、今後はこのような柔軟な支援形態をさらに広げていきたいと考えています。
宮崎:確かに、設計部門でも若手の人材がなかなか育たず、システム管理の担い手が減っているという課題は、私たちも日々感じています。そうした中で、図研テックさんのように、設計とシステムの両方に精通した方が支援してくださるのは非常に心強いです。
原田:実際、最近の支援では「サルベージから始める」ケースも増えています。つまり、導入されたシステムが社内で使われてはいるものの、担当者が退職してしまい、誰も運用の中身を把握していないという状況です。この状態からコードを解析しながら、どういう運用だったのかを分析、再構築するような支援も行っています。システム導入後、継続してうまく使い続けるための支援というニーズは今後さらに増えていくのではないでしょうか。
宮崎:そのニーズはプリサイトとしても感じます。図研テックさんとの連携によって、我々のシステムも熟知しているプロが、導入後もお客様が安心してシステムを使い続けられる環境を提供できるのは、大きな価値だと思っています。
Visual BOMをはじめとする弊社の製品をより長く、より効果的に活用していただけるよう、図研テックさんと役割分担をしながら、支援体制を強化していきたいです。
原田:ありがとうございます。我々としても、プリサイトさんの技術力と、弊社の現場力を融合させることで、より多くのお客様に価値ある支援を届けていきたいと考えています。
―――本日は、「図研テックの現場力」と「プリサイトの技術力」とが融合することで、PLM導入において導入の準備段階から定着・改善までを一貫して支援できる体制について幅広くお話を伺うことができました。
この連携によって、より多くの企業の課題解決に貢献していけることを願っています。本日は貴重なお話をありがとうございました。