個別受注型製造業に必要なモノづくり環境とは
実は昨今、林業をめぐる市場環境は決して悪いものではありません。意外に思われるかもしれませんが政府はいま森林保護・整備の観点から間伐面積の拡大を進めようとしていますし、アジア圏の住宅建設需要の増加に伴い木材需要も上昇しています。我が国の林業がこの追い風をとらえて発展していくためには、機械化を進めて効率化していくことが急務です。林業機械を製造する当社としても、より高性能・低コストの機器の開発や、海外市場も含めた多様なローカルニーズ(木の種類、勾配)に応えるため製品バリエーションを充実させることで是非林業の活性化に貢献していきたいと考えています。
既にご紹介しましたように(前編参照)、林業機械は使われる場所や使う人によって同一製品においても、さまざまなバリエーションが発生します。製造現場では、ユーザーさんごとに特別に作られた大小さまざまな部品が沢山並んでいるのがわかると思います。これらの部品を使って確実にそれぞれのお客様向けの製品を作っていきます。
こういったきめ細かな個別対応は、ユーザーさんからは高い評価を受けていますが、一方で開発・製造現場には効率化を妨げる特有の課題が発生しています。
モノづくりという観点で見ればコストや工数が増えてしまう原因になっており、その改善が私たちの課題になっていました。設計現場においては、3D-CADとCAEを使って「設計者解析」により設計作業の効率化を進めていますが、設計以降は製造手配などが2D図面を前提とした手作業のプロセスと仕組みであるため、設計変更やカスタマイズが避けられない当社製品においては、これがボトルネックとなって効率化を阻んでいました。設計終了後も設計者には様々な仕事が発生するのです。 さらなる改善には手配・製造まで含んだモノづくり環境の一新が必要でした。
既にご紹介しましたように(前編参照)、林業機械は使われる場所や使う人によって同一製品においても、さまざまなバリエーションが発生します。製造現場では、ユーザーさんごとに特別に作られた大小さまざまな部品が沢山並んでいるのがわかると思います。これらの部品を使って確実にそれぞれのお客様向けの製品を作っていきます。
こういったきめ細かな個別対応は、ユーザーさんからは高い評価を受けていますが、一方で開発・製造現場には効率化を妨げる特有の課題が発生しています。
モノづくりという観点で見ればコストや工数が増えてしまう原因になっており、その改善が私たちの課題になっていました。設計現場においては、3D-CADとCAEを使って「設計者解析」により設計作業の効率化を進めていますが、設計以降は製造手配などが2D図面を前提とした手作業のプロセスと仕組みであるため、設計変更やカスタマイズが避けられない当社製品においては、これがボトルネックとなって効率化を阻んでいました。設計終了後も設計者には様々な仕事が発生するのです。 さらなる改善には手配・製造まで含んだモノづくり環境の一新が必要でした。
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ユーザ毎に設計・製造された特別部品の数々
BOMで設計するモノづくりを目指して「極力CADを使った新規設計をなくすことが目標です。」
このような課題を解決するため、わたしたちはITベンダー各社の提案を聞いてみることにしました。
各社とも、大きくは現在の3D設計成果物の活用範囲を広げましょう、そしてBOMを整備しましょうという点では同様でした。細かいカスタマイズや都度対応も含め、設計部門がつくる3D設計データを手配・製造・メンテナンスまで全てのプロセスで活用するためには、これは単に3Dデータを受け取るだけでなく、それぞれの部門が必要とする情報とともに使いやすいかたちで提供されなければいけません。それにはやはり背後にBOMシステムを構築する必要があり、そのBOMが設計情報と連携していることが必要です。ここまでは、私たちとしても予想していた通りであり、各社の提案はそれほど差がないものでした。
プリサイトの提案は、単に設計成果物である3D設計データを後工程でも参照できるようにしましょうというものではなく、その形状に至った理由や解析結果の情報などともに管理することにより、設計部門自身のプロセスもさらに効率化していきましょう、というものでした。
プリサイトのBOMソリューションなら、様々な要件から過去の設計データを参照・検索することにより設計データの再利用性を高めることができ、設計者は本当に必要な新規設計に集中することができます。
前編でご紹介した通り、当社設計部門は強度と軽量化を両立する設計を実現するために設計者解析を進めていますので、これを支援するためには過去の設計情報が解析結果とともに参照できることが非常に重要なインフラとなります。設計者が過去の設計情報を活用するときに、解析データや形状の意味とともに保存されていなければ結局、いま自分が設計しているものに使えるかどうか判断できないからです。
また、設計意図や設計の背景が参照できるということは、後工程にも効果があります。
ユーザーさんごとに様々なカスタマイズが施されたイワフジの製品は、製造・メンテナンス・問合せなど後工程においてもどうしても設計者自身が対応せざるを得ない状況が多くありましたが、3DのXVLデータや設計意図が個々の製品と紐づけられて参照できることにより、設計者以外でも部品や製品に対する理解が容易になり、設計者対応の負担を減らすことも可能です。
これにより設計者は本来の設計業務により注力することができます。
このような理由から、私たちはプリサイトの
Visual BOMを導入することを決めました。決め手は解析工房に始まり、今回のBOMの提案まで常に私たちの「何がしたいか」というところをもっともよく理解した提案だと感じたからです。
各社とも、大きくは現在の3D設計成果物の活用範囲を広げましょう、そしてBOMを整備しましょうという点では同様でした。細かいカスタマイズや都度対応も含め、設計部門がつくる3D設計データを手配・製造・メンテナンスまで全てのプロセスで活用するためには、これは単に3Dデータを受け取るだけでなく、それぞれの部門が必要とする情報とともに使いやすいかたちで提供されなければいけません。それにはやはり背後にBOMシステムを構築する必要があり、そのBOMが設計情報と連携していることが必要です。ここまでは、私たちとしても予想していた通りであり、各社の提案はそれほど差がないものでした。
プリサイトの提案は、単に設計成果物である3D設計データを後工程でも参照できるようにしましょうというものではなく、その形状に至った理由や解析結果の情報などともに管理することにより、設計部門自身のプロセスもさらに効率化していきましょう、というものでした。
プリサイトのBOMソリューションなら、様々な要件から過去の設計データを参照・検索することにより設計データの再利用性を高めることができ、設計者は本当に必要な新規設計に集中することができます。
前編でご紹介した通り、当社設計部門は強度と軽量化を両立する設計を実現するために設計者解析を進めていますので、これを支援するためには過去の設計情報が解析結果とともに参照できることが非常に重要なインフラとなります。設計者が過去の設計情報を活用するときに、解析データや形状の意味とともに保存されていなければ結局、いま自分が設計しているものに使えるかどうか判断できないからです。
また、設計意図や設計の背景が参照できるということは、後工程にも効果があります。
ユーザーさんごとに様々なカスタマイズが施されたイワフジの製品は、製造・メンテナンス・問合せなど後工程においてもどうしても設計者自身が対応せざるを得ない状況が多くありましたが、3DのXVLデータや設計意図が個々の製品と紐づけられて参照できることにより、設計者以外でも部品や製品に対する理解が容易になり、設計者対応の負担を減らすことも可能です。
これにより設計者は本来の設計業務により注力することができます。
このような理由から、私たちはプリサイトの
Visual BOMを導入することを決めました。決め手は解析工房に始まり、今回のBOMの提案まで常に私たちの「何がしたいか」というところをもっともよく理解した提案だと感じたからです。
イワフジ様のvisual BOM 運用イメージ
3DのCVLデータや設計意図が個々の製品と紐づけられて参照できるようになる
3DのCVLデータや設計意図が個々の製品と紐づけられて参照できるようになる
BOMと3次元データだけでなくその3次元形状の背景にある設計意図を連携させるという
Visual BOMの特徴には、高い将来性を感じています。なぜなら、将来的に設計者は、多くの場合CADを使わなくても「設計意図」から適切な部品や製品を正しく早く「設計」することも可能になるのではと感じているからです。もちろんCADを使った新規設計の部分がなくなるとは思いませんが、過去にやった設計を知らずにまた繰り返すなどの無駄な作業は画期的に減らせるのではないかと思います。
ある程度のカスタマイズなら、新規設計無しで製造工程に流すこともできるかもしれません。言うならば、「BOMで設計する」ということでしょうか。私たちが目指すモノづくり環境を構築していくため、図研さんにはこれからも
Visual BOMの機能向上を通じて支援いただきたいと思います。
Visual BOMの特徴には、高い将来性を感じています。なぜなら、将来的に設計者は、多くの場合CADを使わなくても「設計意図」から適切な部品や製品を正しく早く「設計」することも可能になるのではと感じているからです。もちろんCADを使った新規設計の部分がなくなるとは思いませんが、過去にやった設計を知らずにまた繰り返すなどの無駄な作業は画期的に減らせるのではないかと思います。
ある程度のカスタマイズなら、新規設計無しで製造工程に流すこともできるかもしれません。言うならば、「BOMで設計する」ということでしょうか。私たちが目指すモノづくり環境を構築していくため、図研さんにはこれからも
Visual BOMの機能向上を通じて支援いただきたいと思います。
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開発部長 有吉様
設計、製造の現場をご案内いただきながら、インタビューにお答えいただきました。
※ 2017年3月31日をもって「解析工房」サービスは終了いたしました。