Case study
導入事例

Visual BOM

計測制御機器メーカーのPLM導入事例(大崎電気工業株式会社)

大崎電気工業株式会社は、主力製品である電子式電力量計を中心に、配電自動化機器、自動検針用機器、光関連製品などの製造および販売を手掛ける計測制御機器メーカーだ。品質管理レベルの高さや設計の信頼性といった強みを持っており、特にスマートメーターでは、国内トップクラスのポジションを確立している。

そんな同社では、電力量計の主流が機械式から電子式に移り変ったことを機に旧来システムの刷新を進め、20213月よりVisual BOMの運用を開始している。

今回、同社の研究開発拠点である埼玉事業所に訪問し、技術開発本部 研究開発センターのお三方にインタビューを実施した。Visual BOM がどのように開発現場を支えているのか、その効果についてお話を伺った。
  • スマートメーター「A6WA-TA (60A) 」
スマートメーター「A6WA-TA (60A) 」

お客様の企業プロフィール

会社名 大崎電気工業株式会社
本  社 東京都品川区東五反田2-10-2 東五反田スクエア
事業所 研究開発センター:埼玉県入間郡三芳町藤久保1131
創  業 1916(大正5)年8月
設  立 1937(昭和12)年1月
社員数 3,129名(連結)、562名(個別)(2021年3月末現在)
事業内容 電力量計、計器用変成器、配電自動化機器、タイムスイッチ、デマンドコントロール装置、エネルギーマネジメントシステム、自動検針システム、スマートホーム関連機器、光通信関連機器、配・分電盤、電力量計の取替工事、その他電気機械器具の製造販売および工事等
お話を伺った方
取締役 技術開発本部 副本部長 兼 研究開発センター長
阿部 純 様

技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ
主任技師
小峯 正敏 様

技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ
副主任技師
津田 君夫 様

(取材年月日:2021年10月22日)
採用いただいたソリューション
Visual BOM

機械式から電子式へのシフトで感じた旧来システムの限界

近年、大崎電気工業では、電力量計の主流が機械式から電子式に変わったことによる大きな変化に直面していた。同社 技術開発本部 副本部長 兼 研究開発センター長の阿部氏は「製品一台あたりの部品点数が大幅に増加しました。加えて、機能追加やコストダウン検討が頻繁に発生し、モデルチェンジのサイクルが早くなりました」と語る。

また、同本部ではこのような状況へ旧来システムで対応することに限界を感じ始めていたという。同本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 主任技師の小峯氏は、当時の状況を次のように教えてくれた。「部品点数の増加と同時に、技術的な仕様、それに類する文書が非常に増えました。これら文書類と製品の情報を相互にリンクして管理しようとしたところ、旧来システムではどうしても煩雑化してしまい、もっとうまく管理できるシステムはないかということを考えていました」(小峯氏)

  • 取締役 技術開発本部 副本部長 兼 研究開発センター長 阿部氏
取締役 技術開発本部 副本部長 兼 研究開発センター長 阿部氏
2019年4月頃、技術開発本部は社内プロジェクトを立ち上げて現状課題の洗い出しを開始し、同年10月、図研プリサイトを含む計4社へRFPを提出した。その後、関係部門含めた提案内容の比較・検討を経て、翌年3月、Visual BOMの導入を決定した。

部品検索にかかる時間を圧倒的に短縮!

従来、技術開発本部では、部品情報の検索にかかる時間が課題になっていたという。「発番機能のシステムと、そのBOMを作るシステムが別だったので、何か検索をしようと思うと、片方のシステムで部品番号を調べて、もう片方のシステムでBOMを調べるといったことが必要でした。」(小峯氏)

近年の電子式電力量計は、1つの製品に電子部品だけで数百個単位の部品が使われている。そのため、1個の部品検索にかかる時間を疎かにしていると、設計者にとって間接作業であるはずの検索業務が、設計工数を圧迫する大きな要因になってしまう。

Visual BOM であれば、部品情報の管理、およびBOMの管理を1つのシステムで実現できる。もちろん発番機能も搭載しており、このような課題は起こりえない。Visual BOM を導入して一番最初に感じた効果として、小峯氏は「検索機能ですね。探しものというところですごく時間が短縮できた」と述べた。
  • 技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 主任技師 小峯氏
技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 主任技師 小峯氏

機械CADも、電気CADも、問題なくデータ連携!

現在、同社は埼玉事業所に技術開発本部を置いて研究開発リソースを一拠点に集約している。しかし、以前は事業部ごとに開発部門が存在していたこともあり、さまざまな種類の 3D CAD が今も利用されている。阿部氏は「社内で 3D CAD を統一する議論もしているが、どの CAD に統一するか、過去の資産をどのように移行するかなど考えるとなかなか難しい」と語る。

Visual BOM は、異なる 3D CAD データを「XVL」に変換して登録・活用できる。小峯氏は「CAD が違っても、統一フォーマットに変換すれば登録できるのですごく重宝しています」と話し、同社で使用しているいずれの 3D CAD データも問題なく登録できたことが、Visual BOM 選定のポイントであると述べた。

また、Visual BOMは、当社の親会社である図研が電気CAD「CR-8000シリーズ」を開発していることもあり、電子部品管理、基板のBOM管理機能も充実している。同本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 副主任技師の津田氏は「図研の電気CADを使っており、CAD開発元のグループ会社が開発したPLMであれば、データ連携など問題なくできる」と、図研グループへの信頼も選定ポイントの1つであると語った。
  • 技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 副主任技師 津田氏
技術開発本部 研究開発センター・電子計器設計グループ 副主任技師 津田氏

「脱 Excel」と「活 Excel」で、過去データを 手間なく移行!

すべてのPLM導入企業において、必ず課題となるのは既存データの移行だ。同社では、過去にExcelで作成した部品表を新しいシステムに問題なく移行できるかが、PLM選定の重要なポイントだったという。

データ管理は「脱 Excel」を目指すべきであるため、データ入力をシステム上のUIからしか認めないデータベースシステムは数多く存在する。しかし、誰もが操作を知っている点や、編集機能の充実度において、Excelを超えるアプリケーションはなかなか存在しない。

Visual BOM は、CSVによるBOMの一括登録機能を標準搭載しており、使い慣れたExcelで編集したBOMを手間なく登録することができる。値のデータ型や表示方法など、細やかな設定も可能だ。小峯氏は「今までExcelで作ってきた数百単位の部品表を、一気に登録できる点がとても良かった」と話す。
  • 同社のPLMシステム構成イメージ
同社のPLMシステム構成イメージ

Visual BOM への期待と今後の展望

現在、大崎電気工業の技術開発本部において、約100名の方が Visual BOM を利用している。
最後に、Visual BOM への期待や今後の展望についてお三方に伺った。

「まだ、開発のシステムとして運用を開始したところですので、今後、現場等に3Dデータをうまく展開できれば、試作や製造準備もやりやすくなっていくのではと期待しております」(小峯氏)

「PLMで入力された情報を電気CADデータにフィードバックしたい要望があるため、そのあたりの実現に期待しています」(津田氏)

「将来的には、営業の販促、施工説明、保守の現場など、社内のさまざまなシーンで3Dデータを活用していきたいです」(阿部氏)
※本記事はPDFでもご覧いただけます。( PDFのダウンロードはこちら )