各個人が持つナレッジの流通に課題感
「いつもの暮らしを、もっと明るく」をスローガンとする九電テクノシステムズは、半世紀にわたり培ってきた技術と信念を通じて、より快適で環境にやさしい次世代エネルギー社会を実現させるべく邁進している。同社の製品設計・開発を担う技術開発本部では、業務のスマート化を図るためのワーキンググループを適宜立ち上げ、安全で快適な生活を送ることができる社会の実現に貢献する努力を重ねている。
技術開発本部 商品開発1部長の佐々木氏は、2020年度の同本部ワーキンググループに参画した際、自身が抱えていた次の課題感を払拭すべく取り組みを始めたと話す。
「組織内の各個人が持つナレッジの流通に課題を感じていました。例えば、新しい装置の開発を始める際、過去に似たような商品が自社で開発されていたにも関わらず、それを知らない担当者が一から検討を始めて時間がかかってしまう。組織内でナレッジを共有し、それを簡単に探せる環境を整えることが急務だと感じました」(佐々木氏)
技術開発本部 商品開発1部長の佐々木氏は、2020年度の同本部ワーキンググループに参画した際、自身が抱えていた次の課題感を払拭すべく取り組みを始めたと話す。
「組織内の各個人が持つナレッジの流通に課題を感じていました。例えば、新しい装置の開発を始める際、過去に似たような商品が自社で開発されていたにも関わらず、それを知らない担当者が一から検討を始めて時間がかかってしまう。組織内でナレッジを共有し、それを簡単に探せる環境を整えることが急務だと感じました」(佐々木氏)
九電テクノシステムズ株式会社製 複数台EV充電システム
2020年5月、佐々木氏はナレッジマネジメントシステムの調査をスタートし、IT製品比較サイトにて複数社に資料請求をした。その内の一つが当社のKnowledge Explorerだったという。数ある製品の中から当社製品に決めた理由について佐々木氏は「探さなくても関連資料を見つけ出せるプッシュ通知機能がポイントでした。また、クラウド型サービスはデータ移行がネックだったので、オンプレミスだった点も理由の一つです」と教えてくれた。その後、同年11月にKnowledge Explorerの導入費用を来期予算に計上し、2021年7月に同社技術開発本部にて本格的に運用が開始された。
技術開発本部 商品開発1部長 佐々木氏
具体的な利用シーンを伝えて、社員のシステム利用を促進
Knowledge Explorerを導入する10年以上前、同社では他社のナレッジツールを利用していたが、利用率は低かったという。技術開発本部 商品開発2部 計量機器開発グループ 主任の西山氏は「検索を開始するまでの操作が非常に煩雑だったイメージがあり、あまり活用しなかったと記憶しています」と、当時のナレッジツールについて教えてくれた。
Knowledge Explorerについて、西山氏は「Googleみたいにすぐ検索できる手軽さが良いです。また、Windowsのエクスプローラだと1~2分かかるファイル検索が数秒で済みます」と、旧ナレッジツールを優に超える効果が得られていることを話してくれたが、運用開始当初は過去のナレッジツールに対する印象もあったせいか、なかなか社内での利用率が上がらなかったという。
Knowledge Explorerについて、西山氏は「Googleみたいにすぐ検索できる手軽さが良いです。また、Windowsのエクスプローラだと1~2分かかるファイル検索が数秒で済みます」と、旧ナレッジツールを優に超える効果が得られていることを話してくれたが、運用開始当初は過去のナレッジツールに対する印象もあったせいか、なかなか社内での利用率が上がらなかったという。
技術開発本部 商品開発2部 計量機器開発グループ 主任 西山氏
「使ってくださいとアナウンスを続けるだけでは利用者が増えないと感じました。そこで、具体的な利用シーンを含めたマニュアルを作成して、アナウンスとともに配布しました」(西山氏)
西山氏を中心とした地道な利用促進活動の結果、2021年11月以降、同社内での利用率は右肩上がりで伸びているという。現在、主に技術開発本部所属の60余名が利用しており、同本部以外での利用拡大も検討しているとのことだ。
西山氏を中心とした地道な利用促進活動の結果、2021年11月以降、同社内での利用率は右肩上がりで伸びているという。現在、主に技術開発本部所属の60余名が利用しており、同本部以外での利用拡大も検討しているとのことだ。
画面ショットや図表を使った、分かりやすい社内向けマニュアル
プッシュ通知が新入社員のレポート提出に貢献
作成・編集中の文書をAIが解析し、社内に蓄積されたファイルから、関連した記述がある資料をピックアップしてくれるプッシュ通知機能は、Knowledge Explorerの特長の一つだ。九電テクノシステムズにおいて、選定ポイントの一つだった本機能はどのように使われているのであろうか。
技術開発本部 商品開発1部 通信装置開発グループ 主任の重石氏は、本インタビュー当日に起こったプッシュ通知機能の効果について教えてくれた。
「技術開発本部の新入社員に研修の一環として現場帯同(エンジニアリング部門の現場業務に同行)を実施しており、帯同後にはレポートを提出することになっています。本日、レポートの書き方が分からず悩んでいた新入社員から『Knowledge Explorerが昨年のレポートを通知してくれたため、その内容を参考にして書くことができた』と報告がありました」(重石氏)
技術開発本部 商品開発1部 通信装置開発グループ 主任の重石氏は、本インタビュー当日に起こったプッシュ通知機能の効果について教えてくれた。
「技術開発本部の新入社員に研修の一環として現場帯同(エンジニアリング部門の現場業務に同行)を実施しており、帯同後にはレポートを提出することになっています。本日、レポートの書き方が分からず悩んでいた新入社員から『Knowledge Explorerが昨年のレポートを通知してくれたため、その内容を参考にして書くことができた』と報告がありました」(重石氏)
技術開発本部 商品開発1部 通信装置開発グループ 主任 重石氏
また、利用者を対象としたアンケートでは「資料検索がし易くなり過去の資料を見る機会が増えたことで、設計時間の短縮や資料の精度向上につながった」「他部署の資料を含めて、広い範囲で過去の設計資料が見つかるため、部署を超えた設計者の思想や知見が得られ、技術面の深究につながった」との意見もあがっているとのことである。
今後、利用者・利用部門の拡充や対象ドキュメントの増加など、Knowledge Explorerの利用シーンが広がることで、同社におけるプッシュ通知機能の恩恵も増えていくことは間違いないだろう。
今後、利用者・利用部門の拡充や対象ドキュメントの増加など、Knowledge Explorerの利用シーンが広がることで、同社におけるプッシュ通知機能の恩恵も増えていくことは間違いないだろう。
利用部門を拡大し、多様な知見の融合を実現へ
現在、九電テクノシステムではKnowledge Explorerの利用部門拡大を検討しているという。佐々木氏いわく「保有技術を共有し、新たな製品の企画に繋げていくため企画部門、営業部門の利用促進や、現場で上がった意見や工事の時に起きた事象などを共有し、製品の改良設計に反映していくため、エンジニアリング部門への展開も視野に入れ、利便性、利用率の向上を図っていきたい」とのことだ。
最後に、Knowledge Explorerに対する今後の期待として、お三方からそれぞれコメントをいただいた。
「プッシュ通知は良い機能なのですが、正直なところ利用率が低いです。この機能の便利さを感じてもらうためにはどうすれば良いか、その方法を教えてほしいです」(佐々木氏)
最後に、Knowledge Explorerに対する今後の期待として、お三方からそれぞれコメントをいただいた。
「プッシュ通知は良い機能なのですが、正直なところ利用率が低いです。この機能の便利さを感じてもらうためにはどうすれば良いか、その方法を教えてほしいです」(佐々木氏)
「設計書などの文書をVisioで作成することが多いので、プッシュ通知を搭載しているOfficeアドインの対象アプリケーションに Visio も追加してほしいです」(西山氏)
「Officeアドインをインストールすると、ドキュメントを開くときにKnowledge Explorerのロゴが数秒表示されます。急いでいるとき、その数秒待たされるのが煩わしいという意見が社内で多く、ロゴを表示せずに起動できるようにしてほしいです」(重石氏)
「Officeアドインをインストールすると、ドキュメントを開くときにKnowledge Explorerのロゴが数秒表示されます。急いでいるとき、その数秒待たされるのが煩わしいという意見が社内で多く、ロゴを表示せずに起動できるようにしてほしいです」(重石氏)
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