Case study
導入事例

Knowledge Explorer

総合耐火物メーカーのナレッジ活用事例(品川リフラクトリーズ株式会社)

品川リフラクトリーズは、製鉄所の溶鉱炉など高温熱処理を行う炉の内張に使われる耐火レンガをはじめ、さまざまな耐火物の製造と、耐火物を使った炉の設計・建設工事を行う超高温技術のリーディングカンパニーである。

岡山県備前市にある同社の技術研究所では、研究ノートや実験データなど、社内でオーソライズされていない文書の有効活用を進めるため、2019年11月に「Knowledge Explorer」を導入した。

今回、企業における知的財産の保護、化学物質規制の管理、ならびに研究所で利用する業務システムの導入を担う、同社 技術研究所 技術部 部長 森 淳一郎氏にインタビューを行い、Knowledge Explorer導入の狙いや今後の期待について話を伺った。
  • 耐火レンガやセラミックスなど、社会や生活を陰で支えるさまざまな耐火物
耐火レンガやセラミックスなど、社会や生活を陰で支えるさまざまな耐火物

お客様の企業プロフィール

会社名 品川リフラクトリーズ株式会社
本  社 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル8階(技術研究所:岡山県備前市伊部707)
事業内容 耐火物の製造販売、工業窯炉の設計施工、ファインセラミックスの販売、他
お話を伺った方

技術研究所 技術部 部長
森 淳一郎 様

(取材年月日:2021年1月15日)


採用いただいたソリューション
Knowledge Explorer

情報共有を妨げる壁は「膨大な検索結果」

工業炉設備に欠かせない耐火レンガをはじめ、溶鋼を他の設備に流し込むときに使うノズル管などの機能性耐火物や、流し込む溶鋼の量を制御するためのスライドバルブ装置など、品川リフラクトリーズの製品ラインナップは多岐にわたる。一方、粉末状でお客様の施工現場に搬入し、現地で加工して形状を決める「不定形耐火物」も提供している。不定形耐火物は、施工が難しい場所での使いやすさに加えて、従来の耐火レンガ製造の焼成にかかるエネルギーが節約できるため、省エネルギーを進める観点から積極的に研究が行われている。

さまざまな製品の研究開発を進めるため、社内情報共有の重要性が高まる一方、同社の技術研究所では、当時利用していた全文検索システムに課題を抱えていた。「キーワードを含む文書の検索結果が多すぎて、目的とする文書が探し当てられないという問題がありました」(森氏)

また、同研究所では、全文検索システムとは別に文書管理システムを導入しているが、こちらに関しても次のような課題があった。「マニュアルやISO関連の書類など、オフィシャルな文書の改訂履歴を管理する目的でシステムを構築しているため、それら文書を作成するまでに使われた一次文書や二次文書、実験や不具合のデータを記載した研究ノートなど、『オーソライズされていないが、日々の業務で参照したい文書』の検索に活用の幅を広げることが難しかったのです」(森氏)
  • 技術研究所 技術部 部長 森淳一郎 様(インタビューはオンラインにてご対応いただきました)
技術研究所 技術部 部長 森淳一郎 様(インタビューはオンラインにてご対応いただきました)

シンプルな操作で、「見つからない」が「見つかる」に

こうした課題を解決すべく、2019年4月、森氏はIT製品を比較できるウェブサイトにて資料請求を行い、図研プリサイトのKnowledge Explorerの存在を知ることとなった。資料請求後、図研プリサイトからの提案がすぐにあり、ちょうど求めていた内容に一番近かったことが選定ポイントになったという。「他のシステムも検討しましたが、操作性がシンプルで、いわゆるグーグルなどのウェブ検索と同じような感じで、初めて使う人でも抵抗なく使えるだろうなと感じたのが、一番気に入ったポイントです」(森氏)

その後、同年11月に正式採用が決定し、およそ1カ月程度で技術研究所内の3つの研究部門にて利用が開始された。現在は、約7万件の文書ファイルを対象に、70名ほどが利用しているという。

利用開始後、研究所内では次のような変化があったという。「従来システムが目的とする文書を探し当てられなかったことにより、検索システムそのものに期待していなかった人達が、Knowledge Explorerを使い始めています。また、目的とする文書のヒット率が上がったことにより、研究部門内におけるKnowledge Explorerの認知度があがり、実際に助かっているというような話も聞いています」(森氏)
  • 検索キーワードに加えて、作業中の文書と検索結果の関連性をAIが評価するため、膨大なデータの中から、目的の資料を容易に見つけ出すことができる。
検索キーワードに加えて、作業中の文書と検索結果の関連性をAIが評価するため、膨大なデータの中から、目的の資料を容易に見つけ出すことができる。

プッシュ通知が社内情報共有を活性化

Knowledge Explorerは、作成中の文書をAIが解析し、ユーザーが気付いていない価値ある情報、いわば、おすすめの参考資料をピックアップして、プッシュ通知でユーザーにお知らせするのが大きな特長の一つだ。

ユーザーが存在すら知らなかった資料をAIが拾い上げることで、新たな気付きが生まれることを期待して開発されたプッシュ通知であるが、品川リフラクトリーズにおいては、別の効果を生み出している可能性も考えられると、森氏は次のように話す。「プッシュ通知が届くことで、今まで検索システムを立ち上げなかった人達が『これは何だろう』と思って押した結果、Knowledge Explorerの存在と効果を知り、自ら積極的に使うようになったのかなと思います」(森氏)

同社において、プッシュ通知は、ユーザーに気付きを与えるだけでなく、検索システムの利用者増加、言い換えれば、社内情報共有の活性化につながる機能だともいえるだろう。

これからの技能伝承を支えるツールとしての期待

耐火物の研究開発においては、理論的なアプローチも重要であるが、泥臭い試行錯誤的な課題解決プロセスも同様に重要である。試行錯誤において、ベテランにとってはある程度理論や経験をもとに実験数の絞り込みが可能であるが、経験の浅い若手にとってはそれが難しい。特に最近は中間層が不足していることもあって、若手への「知識の伝承」が難しくなっていると感じる。些細なことでも知っているか否かの違いは研究開発の生産性に大きく影響する。

「暗黙知から形式知への変換、すなわちベテランが持っている知識をテキスト化してサーバーに蓄積し、Knowledge Explorerのような仕組みで共有する作業が、今後重要になってくると考えています。」(森氏)

Knowledge Explorerの導入によって、同社の技能伝承がどのような進展を遂げるのか、品川リフラクトリーズの今後に注目したい。
  • 岡山県備前市にある技術研究所。最新鋭の研究開発体制のもと、新しい価値を追求する技術開発が続けられている。
岡山県備前市にある技術研究所。最新鋭の研究開発体制のもと、新しい価値を追求する技術開発が続けられている。
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