食品素材メーカーのナレッジ活用事例
東京フード株式会社
東京フード株式会社は、チョコレート製造技術をコアにした開発提案型の食品素材メーカーである。1967年に菓子製造業として創立以来、製菓・製パンをはじめ、冷菓、飲料、土産など幅広い業界に対して付加価値の高いチョコレートを供給している。
月島食品グループの一員として、長年培ってきたチョコレートの製造技術と開発力に加え、きめ細やかな提案力で50年以上にわたり日本のチョコレート業界を支えてきた。「食を通じて健康で豊かな社会の未来創りに貢献」すべく、たゆまぬ研究を続ける同社は、まさにチョコレートのプロフェッショナルである。
そんな同社は、若手社員への技術ノウハウの伝承や蓄積した情報の活用が進まないという課題を解決するために、当社ナレッジ活用ソリューション「Knowledge Explorer」を導入した。今回、本製品導入の中心を担った同社研究所 商品開発部の御二方にインタビューを行い、導入の経緯や効果について話を伺った。
お客様の企業プロフィール
- 会社名
- 東京フード株式会社
- 本社
- 茨城県つくば市上大島字神明1687-1
- 設立
- 1967年(昭和42年)6月
- 社員数
- 486名 (2023年1月現在: パート従業員を含む)
- 営業種目
製菓・製パン用チョコレート類、チョコレート加工品
お話を伺った方
-
取締役
研究所長 兼 商品開発部長中島 克也 様
-
研究所 商品開発部 課長代理
森田 悠希子 様
2024年05月24日
採用いただいたソリューション

AI実装フルオート型
ナレッジ活用ソリューション
若い世代への技術・情報共有に課題感
関東平野で唯一の日本百名山である筑波山。東京フード株式会社はその麓に本社工場を構えており、製菓・製パン向けの業務用チョコレートやそのまま店舗に並べられる小売品などを製造している。
顧客へのきめ細やかな対応を実現するために社員の1割以上が研究開発部門に所属している。2022年頃、同社研究所長 兼 商品開発部長の中島氏は、研究所の人数が増える中で、次のような課題を感じていたという。
「若い世代が多くなったことから、過去に研究した有用なテスト結果や自社の技術の成り立ちなど、昔からの流れを知った上で教えられる人が少なくなってきました。また、部署の人数が増えたことや業務が細分化して専門的になってきたことから、全員が同じレベルで必要な情報にアクセスしたり、その情報を共有することが難しくなってきました。さらに、共有すべき情報はファイル化やデータベース化をしていたものの、うまく活用できていないと感じていました」(中島氏)
こうした課題への対応策を検討すべく、中島氏は社内のメンバーと共に調査を開始した。2022年10月、幕張メッセで開催された「AI・人工知能EXPO」に訪れた中島氏は、ギリアブースにて「Knowledge Explorer」を知った。その後、図研プリサイトのオンラインセミナーを受講して、自社の課題が同製品で解決できることを確信し、他システムとの比較・検討を経て2024年1月に導入を決定した。
当社製品を選んだ理由について、中島氏は「他社の検索システムと比較して、使い勝手が良いと感じたことが大きなポイントでした。あとは、プッシュ通知や同じテーマの検索など、キーワード検索以外の機能に可能性を感じました。そして、担当営業の伊東さんが非常に親身に対応してくれたことも大きかったです」と教えてくれた。
過去の開発テスト結果など、参考資料がすぐに見つかる!
Knowledge Explorerの導入後の効果について、中島氏は次のように述べた。
「導入前に利用していたシステムでは、ファイル名に使われているキーワードを入力しないと、目的の情報が検索できませんでした。Knowledge Explorerは、資料の中身に使われているキーワードで探すことができます。また、情報がパッと出てくる速さがすごく良いなと思っています」(中島氏)
現在、同社では研究所のメンバー約40名がKnowledge Explorerを利用している。同社研究所 商品開発部の試作チームのリーダーを務める森田氏は、Knowledge Explorerを実際に使用する立場から、感じている効果を次のように話してくれた。
「定例会議での成果発表資料作成時に、過去の物性テスト結果や他の方が作成した発表資料を検索して参考にしています。また、自分の知らなかった過去の情報が素早く検索できるようになったため、自身の勉強にもなっています。それを他の人にも共有できるとても良い手段になっています」(森田氏)
トラブルの未然防止や、プッシュ通知の精度向上に期待
中島氏は、Knowledge Explorerを使った部内情報共有を進める一方、技術伝承のためのデータベースを構築し、社内の知識やノウハウを体系的に管理していきたいと考えている。
最後に、Knowledge Explorerに対する感想と今後の期待について、御二方から次のようなコメントをいただいた。
「配合や物性の不良が起因となって工場で過去に発生したトラブルを検索するために、Knowledge Explorerを活用していますが、何かが起こってからではどうしても後手に回ってしまいます。将来的には、事前に『ここは危ないよ』と察知できるようになればいいなと思っています」(森田氏)
「まだ使いこなせていない部分もありますが、プッシュ通知の精度がもっと上がると良いと思います。また、ChatGPTのような生成AIとKnowledge Explorerを組み合わせたバージョンアップも考えてほしいです」(中島氏)