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用語集

フロントローディング

更新:2021/07/01 16:15

フロントローディングとは?

フロントローディング(英:front-loading)とは、製品開発プロセスの初期工程にリソースを投じ、今まで後工程で行われていた作業を前倒して進めることです。英語の直訳ではfront(前に)loading(負荷をかける)となりますが、設計部門に負荷をかけるという意味ではありません。

例えば、以下のような取り組みはフロントローディングの一環と言えます。

・試作の前にDMUを行い、試作品による実験回数を減らす

・3D CADやシミュレーションソフト等を活用した試作工数/コスト削減

・コンカレントエンジニアリングによる試作工数削減

・設計段階における標準部品の採用検討


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フロントローディングのメリット

フロントローディングには主に2つのメリットが存在します。1つ目は開発期間の短縮化、2つ目は原価低減です。

  • 開発期間の短縮

従来では設計から出図された図面を元に試作を行い、問題があれば設計変更を行い、図面修正後に再び試作…という流れで製造準備を行ってきました。

しかし昨今では、流れが速い市場に対応するための開発期間短縮化が課題として挙げられるようになりました。フロントローディングでは、設計段階から製造準備にかかる生産技術部等の製造関係部署のノウハウを入れる開発手法(コンカレントエンジニアリング)を用い、試作品の品質を向上することで試作回数を減らして開発期間を短縮できることがメリットです。また設計変更の回数も減るため、設計部門の負担も小さくすることができます。

  • 原価低減

設計段階で標準部品や製造設備の稼働率を考慮した部品の採用や、製造しやすい機構に配慮した設計を行うことで原価低減を狙うことが可能です。「製品コストの8割は設計段階で決まる」という言葉が示すように設計に負荷はかかるが製造段階での取り組みに比べ原価低減に関して大きな効果が期待できます。

 

以上のように結果としてフロントローディングの実現により製品のQCD(品質コスト納期)全てを改善することができます。

 

フロントローディングの失敗(フロントヘビー)

後工程の情報が不足したまま、もしくは十分に情報共有のインフラを整えないままフロントローディングを実行すると、設計部門は通常の設計業務に加えて情報収集、発信まで行わなければならず、過負荷な状態(フロントヘビー)に陥ってしまいます。フロントヘビーはフロントローディングを実施するうえで多忙な設計部門が最も懸念する状況です。

フロントローディングを成功させるために

フロントローディングはあくまでも前倒しで作業を進めることであり、設計部門の負担を増やす取り組みではありません。後工程や他部門の情報も取り込んで業務を行うことで、むしろ手戻りを減らし、設計部門の負荷を小さくすることも目的になります。

フロントローディングを成功させるには、あらかじめ必要な情報を部門間で円滑に共有できるシステムの導入やしくみを整備しておくことが重要です。

他部門間にまたがるシステム導入には多くの部門の協力が必要となるため、同じ方向を向くための目的・手段の共有が必須となります。

まとめ

フロントローディングとは製品開発プロセスの初期工程にリソースを投じ、今まで後工程で行われていた作業を前倒して進めることで、開発期間の短縮、品質の向上、試作工数/コストを削減するQCDすべてに効果的な取り組みです。

その実現には情報共有システムの導入や仕組みの整備が必要になります。関係者全員で目的と手段を正しく共有し、モノづくりのDXを推進していきましょう。

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