Case study
導入事例

Visual BOM

富士ホールディングス株式会社 様

富士ホールディングス株式会社、および富士工業株式会社の富士工業グループでは、「人々の生活により豊かさ快適さを提供する」という企業理念に基づき、一般家庭用レンジフードを主軸とした住宅設備機器メーカーとして、商品の企画から開発、製造、販売、アフターサービスまで、一貫した体制で事業を展開されています。

富士工業グループの設計部門、製造部門、営業部門をはじめ、各部門の方々は、消費者ニーズに応える商品開発、開発リードタイムの短縮を共通のテーマとして、様々な課題解決に取り組んでおられますが、2012年2月、その一環として、図面管理システムの刷新プロジェクトをスタートし、慎重な検討の結果、要件適合度の高さや、サポート体制などを評価いただき、システムの中核としてVisual BOMをご採用、ご導入いただきました。
導入後は、Visual BOMの機能によって、また、先行して導入されていた生産システム、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(以下、B-EN-G)のERP「mcframe CS 生産管理・原価管理(以下、mcframe)」との連携による効果もあり、リードタイムの短縮や設計者・製造関係者をはじめとした社内関係者の利便性向上、管理業務の効率化などを実現されました。
  • 富士工業一部の商品群
今回は、Visual BOM の社内ユーザ代表者として富士工業株式会社開発本部設計部部長の黒澤一浩氏、Visual BOM 導入および管理の代表者として富士ホールディングス株式会社管理本部情報システム部情報システム2課課長の浦部英章氏と、同課の福島和男氏に、Visual BOM 導入の背景・経緯と導入前の期待、そして導入後の効果についてお話を伺いました。

※本記事は皆様からお伺いしたお話の内容をまとめて記事にさせていただいています。
  • 今回プロジェクトのメンバーの皆様
今回プロジェクトのメンバーの皆様

富士ホールディングス株式会社様

本  社 神奈川県相模原市
工  場 相模原工場(神奈川県相模原市)、白河工場(福島県西白河郡)
事業内容 一般家庭用レンジフード、住宅設備機器メーカー
お話を伺った方
富士工業株式会社 開発本部設計部 部長
黒澤 一浩 氏

富士ホールディングス株式会社
管理本部 情報システム部 情報システム2課 課長
浦部 英章 氏

富士ホールディングス株式会社
管理本部 情報システム部 情報システム2課
福島 和男 氏
採用いただいたソリューション
Visual BOM

より豊かで快適な生活を実現する製品を

レンジフードを中核とした住宅設備機器の企画から開発設計、生産、販売、アフターサービスまでの一貫した事業を展開する当社では、レンジフードとしての基本機能はもちろん、施工性・排気能力、清掃性が高く、デザイン性、エコに優れた製品を提供しています。生活環境の変化に応じて、システムキッチンに機能性とデザインの調和を追求し て、お客様の快適な暮らしの創造を目指しているのです。

レンジフードは単品で販売されるだけでなく、住宅設備であるシステムキッチンの一部として提供されることも多い商品です。そのため、多様化する住設市場とお客様のニーズにあわせて仕様を変更することも必要で、特注品で対応しなければならないご注文も増えています。

当社の製品開発戦略としては、こうした状況の中でも、設計・生産のリードタイムを短縮し、そしてどのような仕様の製品でも高い品質を維持して、顧客満足度をより一層向上させることを目標にしています。

設計部門においては、よりシステムを充実させて効率化を進めると同時に、設計データ、特に3Dデータの活用を行いながら、そのような目標に向かっていく必要があると考えています。そこで、製品開発・設計工程だけでなく、全社を見据えた最適なシステムを構築するべく、システムの刷新プロジェクトをスタートさせました。
  • 開発本部 設計部 部長 黒澤一浩 氏
開発本部 設計部 部長 黒澤一浩 氏

"レンジジフードの基本機能に対する要望は「効率よく煙を吸い込むこと」「掃除がしやすいこと」など、過去からあまり大きな変化はありません。ただし昨今の製品開発では、基本機能に加えて、デザイン性、省エネ性なども問われることが多くなり、そのようなユーザーの多様なニーズを的確に把握して先取りすることが重要です。どのようなご注文でも、柔軟に対応して設計し、かつ素早く生産・出荷できることが求められます。"

だからPreSightに決めました

実はこの時期、先に述べたような目標への取り組みに加えて、現実的な問題からも、新しいシステムを検討する必要がありました。当社では約10年前、設計図面などの技術情報を管理するために、CADと連携したクライアント/サーバ方式の図面管理システムを導入し、それを用いて設計データを生産部門に提供していました。しかし、この従来の図面管理システム は、サーバ環境はWindows 2000 Serverまで、クライアント環境はWindows XPまでのOSにしか対応しておらず、Windows XPのサポートが終了するまでに、新しいシステムに刷新する必要がありました。

さらに、従来の図面管理システムからは、相模原工場(神奈川県相模原市)にしかデータが提供されていなかったということもありました。その時、もうひとつの白河工場(福島県西白河郡)では、生産システム側で手作業で製造データを作成していたのです。よって、全社プロセス改善の観点からも、両工場に対応したシステムが必要でした。
そういった中で、当社の全システム改善の一環として、2013年6月に生産部門の基幹システムとしてmcframeを稼働されることが決定しました。図面管理システム側も、複数工場での同一品の生産に対応し、両工場で同じ運用を行うことのできるmcframeシステムとの連携対応が必須となっていました。
  • 管理本部 情報システム部 情報システム2課 課長 浦部英章 氏
管理本部 情報システム部
情報システム2課 課長 浦部英章 氏


"導入から約10年使い続けてきた従来の図面管理システムは、データ量が大幅に増加し、システム全体としてのパフォーマンスが悪化していました。そのため定期的にシステムを再起動しなければ、運用に耐えられない状況でした。"

図面管理だけでなく、設計と需給のプロセス最適化を最大の目的に機能性や操作性などを総合的に評価、ベンダーのサポート力や姿勢も重視

このようにして、従来の図面管理システムを刷新するプロジェクトが2012年2月からスタートしました。新しいシステムでは、図面管理だけにとどまらず、当社の設計と需給のプロセスを最適化するということを目的にしていました。新システムに必要な要件は、
●既存の設計・図面データを引き続き使用できること
●相模原および白河の2つの工場で機動的に生産するという当社のものづくりに対応できること
●業界特有である数多く発生する特注業務に対応できること
mcframeとの標準インタフェースを搭載していること
●将来的に3D CADと連携し、3Dデータを活用した効果が期待できること
などでした。

検討の初段階では、情報システム部門が、ユーザー部門に対して既存の図面管理システムの操作性や機能、サポートなどに対するアンケートを実施して、その結果に基づいて新しいシステムに必要な要件が定義されました。この要件に適合するベンダー5社の提案内容を吟味して、ユーザーがそれぞれのデモを見たうえで、システムの評価を行いました。

そのようにして慎重に各社の提案内容や製品の機能性および操作性を評価し、さらに導入/維持コストなどを総合的に判断した結果、図研のVisual BOM の採用を決定しました。要求仕様を満たしていることに加えて、特別提案依頼事項に対する実現方法や、特に3D CADとの連携、3Dデータ活用に関する評価が高く、将来性もふまえた上で、Visual BOM が当社に最も適していると判断しました。

また、新システムと生産システムとで密接な連携を考えていたため、新システムにトラブルが発生すると、生産システムにも影響を与えてしまうおそれがあり、サポートに不安のあるシステムは採用できません。ですので、選定においてはソフトウェアパッケージそのものの将来性はもちろん、ベンダーのサポート力や姿勢も重要なポイントでした。その点でも、図研は多くの製造業でのシステム導入、運用支援の実績があり、また、新規の要望を積極的にパッケージ標準へ取り込んでいく姿勢も高く評価できました。

こうしてVisual BOM を核とした新システムは2013年7月より構築を開始し、2014年6月に本番稼働しました。図面データ、CADデータ、技術文書、構成情報、品目情報などを一元管理して、mcframeとシームレスに連携することで、全社を通じて図面データや品目、構成情報を統合的に運用・管理する仕組みが実現出来ました。

導入効果は開発部門での付帯業務削減だけでなく、需給関連部門の業務効率化も

Visual BOM 導入後の効果として、設計付帯業務での作業工数削減が、リードタイム短縮につながりました。たとえば、従来の図面管理システムでは、図面や文書の登録を手作業で行わなければなりませんでしたが、Visual BOM を導入したことで、それが自動化されました。また、設計部門で更新した図面データは、図研のエレクトレードのサービスと連携し、翌日には協力会社へ自動的に送信されるので、資材部門の作業工数も削減されました。

そして、導入当初の重要な要件でもあった生産側のmcframeとの連携でもVisual BOM 導入の効果が出ています。生産準備の段階において、以前はmcframeと図面管理システムの双方でデータのメンテナンスを実施していましたが、Visual BOM 導入後は、Visual BOM で登録された品目や構成情報がmcframeへシームレスに連携され、生産部門での管理工数削減に大いに寄与しています。 さらに、工程変更や、生産工場の変更など、生産側のマスター変更を行う場合であっても、Visual BOM からmcframeのマスターメンテナンスを一括で行うことができ、それがリアルタイムにmcframeに反映されるのです。以前は、品目詳細マスターのメンテナンスなどを、mcframe上でひとつひとつ行っていましたが、いまは、常時使用するマスターメンテナンスをVisual BOM を使って手早く行えるようになり、非常に便利になりました。マスタデータが一元化できたお陰で、品目情報の品質向上にも寄与しています。

そのほか、従来の図面管理システムは、クライアント/サーバ方式のシステムだったため、クライアント端末ごとにソフトウェアの導入やバージョンアップなどの作業が必要でしたが、クライアント側がブラウザを用いて操作するVisual BOM ではそういったことは一切無く、導入やバージョンアップなどの作業をサーバ側で一元管理することができるようになりました。これは情報システム部にとって大変助かることでした。
  • 管理本部 情報システム部 情報システム2課 福島和男 氏
管理本部 情報システム部
情報システム2課 福島和男 氏


"受注から生産までの必要なデータが連携されたことで、関連各部門での効率化が実現し、全体のリードタイムが大幅に短縮しています。mcframeの導入で目指した業務工数削減の取り組みが、Visual BOMの導入と両者の連携によって完成されたと言えます。"

設計の完全3D化によって、さらなるフロントローディング実現を目指す

Visual BOM は、これまで述べたような設計や管理の業務効率化の効果に加えて、当社のものづくりの将来を見据えた取り組みにも重要な役割を果たすと考えています。

いま、設計部門では3D設計データの活用を行う為の土台固めを行っており、将来的には関連部門を含めた更なるフロントローディングの実現を目指しています。
また、製品・部品の設定、品質情報の取得から、生産中止品の管理や修理対応終了まで、全社的な情報の一元化を実現できる、本当の意味でのPLM=Product Lifecycle Management の仕組みを実現していきたいです。 当社のものづくりの根底は変わりませんが、従来の概念を払拭して、そういったことに取り組んでいきたいと考えています。

ただし、それらのことは、設計部門だけでは実現できず、生産部門、営業部門、管理部門を含む全社での取り組みが必要になってきます。我々自身の挑戦ではありますが、今後、図研には、mcframeを含め、当社のものづくり全体のシステムやプロセスを熟知してもらったうえで、あるべき業務・仕組みの姿なども提案してほしいと願っています。Visual BOM と図研の今後に大いに期待しています。