ホーム > 導入事例 >

三菱電機株式会社 伊丹製作所 様

だから、PreSightに決めました!

三菱電機株式会社 伊丹製作所 様

お客様の企業プロフィール

三菱電機株式会社 伊丹製作所 様

交通システム、および車両用電機品、運行管理システム、交通変電用監視制御装置等の開発・製造
三菱電機本社:東京都千代田区
伊丹製作所:兵庫県尼崎市

(取材日 2013年3月)
SIGMA
三菱電機伊丹製作所様が開発・製造している、鉄道車両用インバータ装置

今回、ご紹介する伊丹製作所様は、兵庫県尼崎市に拠点を置く、三菱電機の交通事業における中核製作所です。
主に交通システムや鉄道車両用電機品の開発・製造を行っている同製作所は、製品の小型化・低コスト化、高機能・高性能化が求められている中で、それらを高い安全性・信頼性で実現するための様々な取組みに力を入れています。

その一環として、高電圧線の安全対策(空間距離、沿面距離の確保)の効率的な検証を可能にするプリサイトの製品サービスXVL Studio Zを導入しました。

その経緯と、XVL Studio Zの運用について、車両システム部 パワエレシステム設計第三課 機構設計担当課長の寺口様と、ご担当の高林様に詳しくお話を伺いました。

世界的な鉄道整備の需要増を背景に、高度化・複雑化する仕様要求に応える

当製作所では、鉄道車両システム、そして車両用の主電動機(モータ)や制御装置をはじめとした車両用電機品を主に設計・製造しています。代表的な製品は写真にもあるようなインバータ装置です。

近年、環境負荷の少ない移動手段としての鉄道が各国・地域で重要視されてきていることから、これらの製品の需要は世界的に増大しています。当然競争も激しく、製品仕様に対する要求はますます高度・複雑になってきています。高効率・省電力のための最新技術の導入、車両のスペース有効活用のための小型化・軽量化などはもちろん、鉄道設備の輸出先国の様々な規格へも対応しなければなりません。こうした中で世界中のメーカがしのぎを削っており、我々も厳しい仕様要求に応えられるように全力で臨んでいます。

一方で、車両用電機品は人間が利用する社会インフラの一部という性質上、製品の安全性・信頼性についても注意を怠ることは出来ません。
最新技術の導入や、小型化などを推進すればするほどに、製品の品質を維持向上するためのさらなる努力が求められます。しかも、要求される納期はますます短くなってきていますから、設計の安全性や信頼性をチェックする検証作業は、限られた時間のなかで確実な結果を求められます。

パワエレシステム設計第三課機構設計担当課長 寺口様

パワエレシステム設計第三課
機構設計担当課長 寺口様

限られた時間の中で、いかにして確実に安全性と設計の最適化をバランスさせるか

そうした状況での我々の取組みですが、今回は、数ある検証のなかで、高電圧を取り扱う機器ならではの、機器内部での電気的絶縁距離(電圧差のある部位同士の適切な絶縁距離の確保)の検証についてご説明したいと思います。

インバータ製品の場合、機器内部にはBUSバーと呼ばれる銅製の細長い棒状の部品が数多くあり、電流を流す、いわば導線のような役割を果たします。機器の稼働中は当然これらのBUSバーには高い電圧がかかることになりますが、かかっている電圧は1種類ではありません。つまりBUSバーとそれに接続されている金属部品は、数種類の電圧グループを形成して機器内部で絡み合って位置しています。
そのような状態では、隣接する他の電圧グループのBUSバーや金属部品との距離が基準よりも近いと、その空間を飛び越えて放電する可能性があります。

パワエレシステム設計第三課 ご担当 高林様

パワエレシステム設計第三課
ご担当 高林様

BUSバー(棒状金属部品)イメージ図

安全性・信頼性にとって大きな問題ですので、この距離は確実にチェックしなければなりません。そして、このような検証は、製品の小型化や複雑化に伴ってますます重要になってきます。小型化されると、内部の余剰空間が無くなって距離を確保することが難しくなるからです。このように、電気的な安全性と要求仕様に応える設計のバランスを、限られた時間の中で最適化していかなければならないのです。
これらに対応するため、当初はCADデータを表示し、目視で検証箇所を探して絶縁距離を見ていました。

しかしながらアセンブリ全体ではデータが非常に重くなり、検証箇所を探す行為と、操作するところで、非常に時間がかかっていました。
このような背景から、当製作所では、早い段階から3Dデータを活用したバーチャルな電気的絶縁距離検証を実施するべく模索していました。

電気的検証ツール「XVL Studio Z」を大型の高電圧機器で使えるようにアレンジ

当初は、設計した3D CADデータそのものを用いた電気的絶縁検証ツールを検討していました。これは、オリジナルのCADデータがそのまま使えるというメリットはありますが、データが重いことから検証結果が出なかったり、結果が出ても現実的な時間内で検証を行うのは難しいことがわかりました。
そんな時、ある展示会に参加した際に図研さんから、XVL Studio Zを紹介され、説明を受けました

XVL Studio Zは、もともとプリント基板のデータを3D化して、それを中心とした製品全体での電気的検証を行うツールとのことでしたが、我々の製品のような大型高電圧機器での電気的検証にも十分活用できるのではないかと考えました。大型機器を検証するための、いくつかの課題にも迅速なアレンジでご対応くださり、ツールの評価をさせてもらった結果、XVLに変換された3D設計データで十分実用に足る検証が可能であることがわかり、すぐに導入を決めました。

データの軽さ、そしてツールを使う側の立場に立った豊富なアシスト機能

XVL Studio Zの導入を即決できた最も大きな理由はデータの軽さでした。先に述べたように、3D CADデータで検証しようとすると、データが重すぎてレスポンスが非常に遅く、何をやっても時間がかかっていました。

一方XVL Studio Zは、元の3D CADデータの約1/50までファイルサイズが圧縮され、フルアセンブリの場合でも非常にスムーズに取り扱えるのでストレスはありません。

また、XVL Studio Zには、属性を設定する際に部品同士の物理的な接触を検知し、属性を次々にコピーしてくれる機能がありました。この機能によって属性の設定作業が非常に短時間で済み、とても助かっています。
まさに「使う側の立場に立った」機能だと言えると思います。

属性伝搬機能

これまで絶対できなかった電気的検証が試作前に可能になった

沿面距離の計測

沿面距離の計測

検証に入ってからも、XVL Studio Zは大きな威力を発揮してくれました。
3D CADには絶縁物を考慮して、放電が起こる空間距離や沿面距離を計測する機能がないので、3D CAD上で検証を行おうとすると、断面を切って各経由地点を計測し、結果を足し合わせて確認しなければなりませんでした。また、形状が複雑な場合は、経験から放電の経路を予測して、断面をいくつか切って判断しなければならず、さらに時間がかっていました。

その点、XVL Studio Zは、計測すべき個所を自動的に抽出してくれます。そして、空間距離では絶縁物を迂回した経路の最短距離が、沿面距離では絶縁物に沿った経路の最短距離が示されるので、設計指針を満たしているかどうかが一目瞭然で分かります。

これによって、形状が複雑な箇所でも、判断ミスや見落としなどを、より防ぐことができるようになっています。

さらに、空間距離においては、絶縁物の条件を変更することで絶縁物が経年劣化した場合の検討を行うことも可能になりました。つまり、将来問題となりそうな個所の「あたり」をつけることができて、信頼性向上を図るうえで役立っています。

また、数値で表すことができない効果ではありますが、最短の距離だけでなく、放電の可能性がある様々な経路を視覚的に確認できることも大きいと思います。

XVL Studio Zの画面上で経路を目で見て、製品内部の状態を想像することで、今までにはない発想や発見にも繋がると考えています。

空間距離の計測

空間距離の計測

今後は、制御システム全体の最適な設計を行うための検証にも応用を進めていきたい

冒頭に述べたように、世界的な需要増という環境で、今後、鉄道車両の制御機器は、高機能化、小型化、そしてますますの低コスト化が求められています。当製作所は、こうした様々な要求に応えつつ、製品の安全性・信頼性がしっかり担保された製品を開発・製造していかなければなりません。

そのためには、たとえば、熱や振動などによる影響を考慮し、システム全体にBUSバーをどう引き回したら良いかや、各ユニットや部品の配置等、より高度に総合的に検証をしていく必要があります。現在は、XVL Studio Zを一部のユニットのみに適用して検証していますが、今後は構成する各ユニットを含めた、システム全体の最適な設計を行うために、より広い範囲でXVL Studio Zを活用していきたいと考えています。

この記事は参考になりましたか?

ご回答:
投票する
※1つの記事に対する投票は、お一人さま1回のみ可能です。
重複して投票された場合、2回目以降は無効となりますのでご了承ください。
  • 次へ
  • 前へ
  • 一覧へ戻る

ページトップへ